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2025年 4月 12日 ヒートテックはタンスの外に
こんにちは白石人生です。
22の世間では新生活が始まるはずの4月に、全くもって一新しない日常に少しばかりの不思議を感じる今年23になる今日この頃。
世界ですらこの少しばかりの戸惑いを、気温の変化を通して表しているような気がします。
寒いかと思えば暑くなって、かと思えばまた寒気が、やっと暖気に慣れ始めた私の体調を襲うわけです。私のよれよれになったヒートテックもタンスの奥で眠っていいのかどうか、戸惑っているはずです。
つまり、世界とはヒートテックです。戸惑い繋がりの浅いジョークです。戸惑わないでください。
そんな今日、学生の皆さんには新たな立場としての生活、いわゆる新生活が幕を開けようとしています。
メインは「新受験生」
これから始まる怒涛の受験地獄に備えて、今年18の代と一部宛てではありますが「部活と勉強の両立」という極々ありふれた、とはいえ解決難易度ナイトメアなテーマでお送りいたします。
どうかごゆっくり。
さて、さっそく本題に入ろうかと思うのですが、先述した通りこの類の自己啓発は難易度がバグのようで、とにかく難しいのです。
誰も彼も長ったらしい啓発もとい洗脳を受けてくれるわけもなく、そんな忙しい方々向けに簡潔に伝えるならば、いつかも語った私の両立学とは「気合」
つまるところの「根性論」です。いとも浅くなってしまう。
とはいえこれ以上は深く成り得そうもないので、本筋はこのど根性理論を、いつか食べたおいしいはんぺんのように擦り潰し練り捏ねてやろうと思います。
(ちなみに、はんぺんは『半片』と書くこともあり、その名の通り半分の欠片という意味があるそうです。部活と勉強、はんぺんずつという事で一丁…)
気を取り直してここからはゆっくりしていきたい方向けに最近見かけた実例をご紹介します。
==== S・S の場合====
兄の影響で小さい頃からバスケットを始める。
過去に全国に行ったこともある、地元では古豪として名を馳せる高校へ家から1時間少しの時間をかけて進学し、現在は週6にもなる朝練と午後練をこなしているという。
したがって、朝は5時に起床、5時半には家を出、帰ってくるのは8時過ぎなどという非現実的な過密スケジュールを過ごしているのだとか。
最近(と言ってもひとふた月前くらい)大学受験に不安を抱き始めたそうで、隙間時間の尽くを勉学に充て始め、塾にも通い始める。
志望は都内の国公立大学である。やりたい事と行きたい大学が明確にあり、強いあこがれを持つ。
朝、最近眠りの浅い私は妹のシャワーで目が覚める。時刻は5時過ぎ。大学の(遅刻が珍しくないと言われる)一限にすらまだまだ早すぎる時刻。
前日は当番だったのか、多すぎる部活の荷物を持って始発の便へと、まだ薄暗い街をかけていく。認めたくない青春である。
片道約1時間の登校に欠かせないのは「単語帳」と「一問一答」だという。眠くなったり飽きたら入れ替えて頭をリフレッシュするのだとか。
朝起きてすぐの頭に鞭を打っているようである。
これは彼女から直接聞いた話ではないが、朝練のアップはシャトルランを100回行うらしい。急いで腹に入れた朝食を吐き出させる趣味でもあるのだろうか、朝起きてすぐの体に鞭を打っているようである。
朝練が終われば学校の始まり。人によっては苦手なあのチャイム音が鳴り響き、HRに間に合わせるための早着替えタイムアタックの幕開けだそう。
一度、そんな生活を送っていて授業は眠くならないのかと聞いたことがある。
「6時間は寝るようにしてるし、授業も良い復習だからそんなに頭使わないし、最悪授業の合間で爆睡してるからなんともない」と。
最悪爆睡してたらそれは足りていないのでは、というツッコミは飲み込んだ。
そんなこんなで授業の間や休み時間を基本は単語や宿題にまわし、学校を終え、午後練という地獄へ。どうにも認めたくない青春である。
地獄は午後の7時辺りで閉まるらしく、そこからは憧れに向かう時間である。学校と家とのちょうど真ん中に位置する塾へ、そのままの足で向かう。
短針が7と8の半分過ぎくらいになる頃には到着し、奇遇にも東進と全く同じ閉館時間まで、これまた奇遇にも東進と同じく映像の授業を受ける。
帰りは10時半少し前。帰ってからは生き急ぐように夜飯と風呂を済ませ、シンデレラの魔法が解ける1時間前には死んだように仰向けになる。
羊を数える代わりに、その日の復習をすることですぐに眠れるのだとか。
夢が勉強で埋め尽くされそうで、中々休めそうにないものである。
これが真の睡眠学習か
夜、私は彼女を起こしてはならないと気を張りながら、朝起こされた憂さ晴らしをすることもなく、シャワーを浴びれるわけもなく、夜のご飯ですら黙食である。今日も節分なのだろう。
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==== A・S の場合====
兄と姉の影響で物心ついたときにはバスケットを始めていた。
全国区の戦いを繰り広げる高校へ進学し、こちらも週6というブラック甚だしい朝練と午後練に精を出している。
中学の頃から全国で競ってきた彼女には、一見死ねる日常も、楽しくて仕方がないのだろうか。
志望校はバスケットが強い国公立大学。(今のままでは行けるわけがないと強く言われ〈言ってしまい〉、反骨精神剝き出しである。怖い。)
朝、眠りの浅い私は、二度目のシャワーの音で目が覚める。先ほど妹は家を出たはずだが、もう一人妹がいるのだ。
彼女は末っ子なだけあり、一際女王気質である。朝飯は母に、洗い物は兄に、準備は妖精(昨晩の母)に用意をさせる。
その浮いた時間は、動画を見る時間へと費やす。朝から靴が体育館を擦る音と、ボールの跳ねる音がうるさくてかなわない。
ただ最近は(余計な一言があった次の日から)、姉を見たのか、自分の勉強の出来なさに怖くなったのか(否、反骨精神である)、勉強をするようになった。
姉と似たようなスケジュールで、とはいえ姉程に詰め切った勉強計画ではないが、部活が休みの時や帰ってきてからは基本机に向かうようになった。
以前までは、筋トレしながらバスケットの動画を見るか、外に出て自主練をするか、何が良いのか分からないクソゲーを見つけてきては真顔でプレーするだけだったのだ。
姉と違うのは勉強に対する耐性が皆無である事。バスケットが好きすぎる事。
これを妹は、調べずともポモドーロテクニックもどきによって乗り越える。
30分勉強をしたのち、10分自主トレをするのだ。彼女はこのセットを1ワークと呼んでいる。流石、真っ直ぐである。
本家ポモドーロテクニックとは、30分を1セットとし、25分やるべき事、5分を休憩と言うように繰り返し行う手法であり、初めの集中と終わりの集中を上手く使う事によって、長時間の超集中を可能にした、いわば勉の型である。
そんなこんなで、やはり私が家に帰るころには布団にもぐっており、少しでも物音を立てようものならば、昨今のYouTubeですら規制音が鳴りそうな文句が飛んでくるのである。
朝、私を起こしている自覚はあるのかと、私は夜飯すら食べれないのかと、というかシャワーはいつ入れるのだと。
言いたいことは何もないのである。
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以上、実妹ショートノベルでした。
我が妹だけあって、やはり火がついた時の追い込みというか、詰め込みというか、ものすごいですね。
多分(これは客観的に見て)我が妹よりも部活動が忙しい人というのは中々に居ないでしょうから、彼女らに出来て皆様に出来ない道理はないはず。いや、ない。
そしてここにきてやはり困るのは、少なくとも私にはこれを気合以外に説明できる術がないという事。
つまるところの根性論です。
ただほんの少しばかり科学的で論理的な分析をしてみると。
なんとも便利なこの根性論に持っていくためには、彼女らを鑑みるに自身に火をつける事が重要そう。
その火ノ本は、将来に抱く強く眩い憧れの心かもしれないし、見返してやるという強く著しい反骨の心かもしれない。
火の無いところに煙は立たぬ、と言いますから(?)そうです、火をつけましょう。
我々が追い求めてやまないこの不思議な力「気合」や「根性」はつまるところ火の技術なわけです。
それをもって科学としましょう。
そうです気合や根性とは、実は極めて科学的で論理的な理由だったわけです。
世界はすべて火の技術から始まる。
つまり、「両立」とは「ヒートテック」です。火の技術でヒートテック。くだらなく浅いダジャレです。戸惑わないよう。
そうなると、ヒートテックはまだまだ現役。タンスの奥にしまってちゃいけませんね。
晴れて戸惑いが無くなりました。こりゃ素晴らしい。
…晴れたらあたたかくなるから、例のヒートテックもタンスの底に追いやられるのではないかと、そんな矛盾もまた一興。
余談
これは余談で、本筋とは全くの無関係ですが、妹つながりで少々。
最近「俺の妹がこんなにかわいいわけがない」を「。」まで含めて見返したわけですが、フィクションとはやはり幻想。
タイトル通り、こんなにかわいい妹がいる訳がないのです。
世には不思議かな、幻想を現実に抱く輩は多いもので、一応の忠告というか真の現実というか。
というより、こんなにかわいい妹が現実にいるなら、私に少しばかり分けてくれ。
ただぁ!フィクションとしては素晴らしい作品で、危うく現実逃避するところでした。
終。